【日本の行事】お盆のホントとは!歴史や由来について紹介

 8月15日を中心に、8月13日から16日にお盆を迎えます。

お盆は、先祖の魂を迎えて供養する行事で、このために帰省するといった方も多いのではないでしょうか。

今回は、日本人にとって大切な行事である“お盆のホント”について紹介します。

お盆のホントとは

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お盆は、帰ってくる祖先の霊を迎えるという行事です。

そんなお盆の、正式な呼び方は「盂蘭盆会」(うらぼんえ)と言い、「盂蘭盆経」(うらぼんきょう)という仏教のお経からきていると言われているようです。

そんな、お盆の歴史を見ていきましょう。

お盆の歴史と由来

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日本では「盂蘭盆会」は親族や親戚、親しい人々が集まり、亡くなった方をしのび、先祖に感謝し供養する大切な仏教行事です。

日本においては、盂蘭盆会は、仏教の「餓鬼道に堕ちた者を供養によって救う」という意味に加えて、祖先の霊を敬うということが融合した形で広まっていきました。

お盆の行事が始まったのは6世紀ごろ

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盂蘭盆会が日本に伝わったのは、6世紀頃といわれ、最初は宮中の行事として行われていたようです。

日本書紀には、斉明天皇や聖武天皇の時代に盂蘭盆経が伝わり、供養を行った様子が書かれています。

聖武天皇の時代の以降は、毎年の仏教行事として供養が行われるようになり、その後、貴族や武家社会へと広がりました。

鎌倉時代に民衆へ伝わった

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鎌倉時代末期には、民衆の間でも先祖のためにお経を読み、供え物をするという風習が広がったようです。

現在のような、寺請け制度が始まったのは江戸時代初期で、盆棚(精霊棚)を準備し、棚経を菩提寺の僧にあげてもらうという行事が行われるようになっていました。

迎え火や送り火の風習も、江戸時代に入って盛んに行われるようになったようです。

お盆にナニをする

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日本でのお盆期間は、8月15日を中心とした、8月13日~8月16日が基本とされています。

しかし、地域によっては7月15日に行われるトコロもあります。

このお盆を新盆(7月盆)と呼び、8月15日を旧盆(8月盆)とも呼ばれています。

また、沖縄県と鹿児島県奄美地方では今も旧暦にお盆が行われます。

【準備】お盆飾り・お供えの用意とお仏壇・お墓の掃除

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お盆の準備として、お盆飾りやお供えの用意とお仏壇・お墓の掃除をします。

お盆飾りに必要なものはコチラ。

盆棚(祭壇)

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盆棚、または精霊棚と呼ばれる特別な棚を設置し、そこにお供え物やお位牌を飾ります。

盆提灯

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盆提灯は、帰ってくるご先祖様が、迷わず家にたどり着けるように飾ります。

家紋などの模様が描かれ、迎え火としての役割も。

まこも・蓮の葉

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お釈迦様がその上で病人を治療したいわれを持つのが、まこも(真菰)のゴザとなります。

盆棚の上にまこものゴザを敷き、次に蓮の葉、その上に精霊馬や季節の野菜・果物、故人の好んだものなどをお供え物として置くのが基本となります。

精霊馬

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先祖を迎えるために「精霊馬」を作ります。

これは、キュウリとナスを使って馬と牛を表し、先祖の霊がこの世とあの世を行き来する際の乗り物とされています。

家にに帰ってくるときは、早く帰って来られるようにキュウリの馬。

あの世に戻るときはゆっくり戻るためにナスの牛を用意するといわれています。

夏の野菜を使って作る精霊馬は広く知られていますが、代用として色和紙と麻がらによる細工品などの場合もあります。

ほおずき

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ほおずきは、提灯のような形と鮮やかな色を持つ植物です。

その見た目から、お盆ではご先祖様を迎えるために欠かせない飾りのひとつとして古くから重宝されています。

仏花と共に活けたり、他のお供え物と並べて飾ったり、仏壇や盆棚に吊り下げたりと、色々な形で飾ります。

そうめん

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お盆にそうめんを供える習慣は、幸せや喜びが細く長く続くという願いや、ご先祖様が帰る際の手綱や荷物を結ぶ紐としての意味が込められています。

また、無病息災を願う意味合いもあり、平安時代の宮中の七夕行事から受け継がれたとされています。

水の子・閼伽水(あかみず)

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お盆には、故人の霊を慰めるために「水の子」と呼ばれる供物を用意します。

これは、さいの目に切ったナスやキュウリと洗ったお米を混ぜ合わせたもので、蓮の葉を敷いた器に盛り付けます。

また、「閼伽水(あかみず)」とは、清めた水のことで、水の子に振りかけることで供養を行います。

麻がら

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お盆には、迎え火と送り火の伝統があります。

これは、ご先祖様の霊を迎え、また送り出すために行われる儀式で、迎え火はお盆の初日に、送り火は最終日に行われ、麻がら(おがら)と呼ばれる麻の茎を燃やして行います。

この時の煙がご先祖様を導くとされています。

現代では、火を使わずに電気の提灯を使用する家庭も増えていますが、伝統的な方法を守る家庭もまだ多く存在します。

ミソハギ

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ミソハギは、赤紫色の小花を穂のように密集して咲かせる多年草で、お盆の時期に咲くことから「盆花」とも呼ばれています。

この花は、精霊棚の近くに飾られ、お参り時にはその穂先を水に含ませて振り、場を清める役割を果たします。

十三仏

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お盆には、故人を偲び、先祖を敬うために十三仏を飾る風習があります。

十三仏とは、故人が無事に極楽浄土へと導かれるように、追善供養を司る13柱の仏様のことです。

これらの仏様は、初七日から三十三回忌までの各法要において、故人の魂を守り導く重要な役割を果たします。

日本の多くの宗派で採用されており、特にお盆の時期には、家族が集まり、仏壇に掛軸としてこれらの仏様を飾り、先祖の冥福を祈るのが一般的です。

【迎え盆】お供え物・お墓参り・迎え火

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迎え盆では、お供え物をしてお墓参りや迎え火をします。

迎え盆のお供え物はコチラ。

香(こう)

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香とは、線香や抹香のことです。

お線香は、その香りで故人の霊を慰め、また家族の絆を感じさせる重要な役割を果たしています。

日本では、お盆の時期に合わせて特別なお線香を選ぶことも一般的で、心を込めた贈り物としても用いられます。

お盆のお線香は、故人への敬意として、また生きている私たちを繋ぐ象徴として大切にされています。

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お盆には、故人や先祖への感謝の気持ちを込めて花を飾ることが日本の伝統です。

菊や百合、竜胆など、さまざまな花がお供えされ、それぞれに意味が込められています。

例えば、菊は信頼や高貴を象徴し、百合は純潔を表します。お盆の期間中、これらの花々は故人の霊を慰め、生者の心をも豊かにするとされています。

灯燭(とうしょく)

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お盆には、先祖を敬い、迎えるための灯燭(とうしょく)が重要な役割を果たします。

ろうそくの光は、先祖の霊を照らし、現世との結びつきを象徴しています。

また、その明かりは、私たちの心の中の煩悩を取り除くとも言われています。

浄水(じょうすい)

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浄水は清浄な水を意味し、お参りする人の心を清める象徴です。

毎日新鮮な水を供えることで、故人や先祖の霊を慰め、私たちの心も浄化されるとされています。

飲食(おんじき)

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お盆には、故人を偲びながら家族が集まり、特別な食事を共にする日本の伝統的な行事です。

この期間中、多くの家庭では精進料理が供され、動物性の食品を避けた植物性の食材を使用した料理が中心となります。

例えば、一汁三菜や天ぷら、そうめんなどがお盆の食卓に並びます。

また、地域によっては赤飯やずんだ餅など、特有の食べ物を楽しむ風習もあるようです。

【中日】死者とともに近親者と会食・法要

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お盆の中日は、お盆の期間中で最も重要な日の一つであり、家族や親戚が集まり、故人を偲びながら会食をしたり、法要を営むことで、故人の霊を慰め、供養します。

この日は、故人との絆を再確認し、生者と死者が一体となることを象徴する大切な時間です。

お盆の期間中には、迎え火や送り火を焚いて、故人の霊の行き来を助け、家族が一緒に過ごすことで、故人の霊を安心させ、また来年も帰ってくるようにと願います。

この行事は、仏教の教えに基づいており、死者の苦しみを解放し、供養する意味合いが強いです。

また、地域によっては、お盆の時期が異なる場合があり、新暦の7月か8月、あるいは旧暦に従って行われることもあります。

お盆は、単に故人を偲ぶだけでなく、家族の絆を深め、生きている私たちが互いに感謝し合う機会でもあります。

【送り盆】お墓参り・送り火・後片付け

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お盆の送り盆は、その期間の最終日に行われ、故人や先祖の霊をあの世に送り返す儀式を指します。

この日には、お墓参りをして故人を偲び、送り火を行い、霊が迷わずに帰れるようにと願いを込めます。

そして、すべての儀式が終わった後には、お供え物や盆提灯などの後片付けが行われます。

地域によって違う事も

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地域によっては、送り盆の日にちや時間が異なることもあり、家庭によっても様々な風習が存在します。

例えば、関東地方では新暦の7月15日前後に送り盆を行うことが多く、一方で沖縄では旧暦を基準にした日程で行われることが一般的です。

送り火に関しても、夕方から夜にかけて行う地域が多いですが、午前中に行う地域もあります。

送り火は、故人の魂がこの世を離れ、あの世へと帰る道しるべとなるため、暗くなる時間に行われることが多いです。

この時間帯は、火から立ち上る煙が見えやすく、霊が道しるべを見失わないようにするためです。

送り盆の日は、家族が一堂に会して、故人の魂を送り出すための大切な日であり、日本の文化に根ざした美しい伝統です。

お盆にしてはいけないこと

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お盆の期間には、先祖の霊を迎え入れるために、してはいけないことが存在します。

水辺に近づく

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水辺に近づくことは避けられています。これは、水辺が霊界と現世をつなぐ場所とされ、先祖の霊が戻る道と考えられているからです。

生き物の命を奪う

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生き物の命を奪う行為、例えば釣りも控えるべきとされています。これは、お盆が命の尊さを再認識する期間と捉えられているためです。

針仕事などの作業

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針仕事など怪我のリスクがある作業も避けるべきとされており、これは血が「けがれ」と見なされるためです。

引越しや結婚式

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お盆期間中に引越しや結婚式などの大きな生活の変化を避けるのも、先祖への敬意を表すためです。

これらの行動を避けることで、先祖の霊が安らかに過ごせると信じられています。

お盆には、家族や親戚が集まり、食事を共にしたり、お墓参りをしたりして、先祖との絆を深めることが大切です。

最後に

お盆の行事を詳しく調べてみました。

最後にお盆に関する動画を紹介します。





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